Friday, February 27, 2026

ヨハネによる福音書14:6の原書(独習)(Gre/En/Ja)

久しぶりに、新約聖書の原書を取り上げることにしました。長いと時間がかかるので短いのにしました。😅テキストの古典ギリシャ語は聖書アプリの「THGNT」版、下のword by wordの直訳は、「そのまま新訳・逐語訳聖書」を使いました。

ヨハネによる福音書14章6節です。下枠の英語を馴染みのあるNIV(New International  Version)ではなくNKJV(New King James Version)にしているのは、NKJVの方がよりオリジナルに近いと(個人的に)思っているからです。黄緑のフォントは動詞、オレンジは名詞になります。なお、一部フォントの形(文字の上の記号)が崩れていることをご了承下さい。





























  短い文の中に定冠詞が5回も出て来たので、下に表(単数のみ)にしてみました。男性・女性・中性名詞の前に付く定冠詞の格変化になります。なお、ὁ ἡ のように、文字の上に付いている、アポストロフィーの逆向きのような記号は、「ラフ・ブリージング」と言って、「h」の音が入る為、「ホ、ヘー」と読みますが、τὸνは記号の向きが違うので、そのまま「トン」と読みます。文中に出て来た定冠詞はボールドにしています。
男性 女性 中性
 主格(~は)    ὁ(ホ)  ἡ(ヘー)  τό(ト)
 属格(~の)  τοῦ(トゥー)  τῆς(テース)  τοῦ(トゥー)
 与格(~に)  τῷ(トー)  τῇ(テー)  τῷ(トー)
 対格(~を)  τόν(トン)  τήν(テーン)  τό(ト)

λέγει(レゲイ)

語根:λέγω(レゴー:言う)
English:he says
意味:彼は言う
文法:動詞・現在・能動・直説法・三人称単数

👉 歴史的現在(historic present)。物語を臨場感ある現在形で語っています。

αὐτῷ(アウトー)

語根:αὐτός(アウトス:彼)
English:to him
意味:彼に
文法:代名詞・与格・男性・単数

👉 与格なので「〜に」。

Ἰησοῦς(イエースース)

語根:Ἰησοῦς(イエースース:イエス)
English:Jesus
意味:イエス
文法:名詞・主格・男性・単数

👉 主語なので主格。「~は」

ἐγώ(エゴー)

English:I
意味:私は
文法:人称代名詞・主格・一人称単数

👉 動詞に人称が含まれているので通常は省略可能。ここでは強調。

εἰμι(エイミ)

語根:εἰμί(〜である)
English:am
意味:私は〜である
文法:動詞・現在・直説法・一人称単数

👉 神的自己宣言に用いられる特別な動詞。

ὁδός(ホドス)

語根:ὁδός(ホドス:道)
English:way
意味:道
文法:名詞・主格・女性・単数

👉 εἰμι の補語なので主格。

ἀλήθεια(アレーセイア)

語根:ἀλήθεια(アレーセイア:真理)
English:the truth
意味:真理
文法:名詞・主格・女性・単数

ζωή(ゾーエー)

語根:ζωή(ゾーエー:命)
English:the life
意味:命
文法:名詞・主格・女性・単数

οὐδείς(ウーデイス)

語根:οὐδείς(ウーデイス:誰も〜ない)
English:no one
意味:誰も〜ない
文法:不定代名詞・主格・男性・単数

ἔρχεται(エルヘタイ)

語根:ἔρχομαι(エルホマイ:来る)
English:comes
意味:来る
文法:現在・中動(形は受動)・直説法・三人称単数

👉 中動態だが意味は能動「来る」。

πρὸς(プロス)

English:toward / to
意味:〜へ

👉 対格支配。

πατέρα(パテラ)

語根:πατήρ(パテール:父)
English:Father
意味:父
文法:名詞・対格・男性・単数

👉 πρὸς の目的語。

εἰ  μὴ(エイ メー)

English:except
意味:〜でなければ

👉 強い限定。

δι᾽(ディ)

語根:διά(ディア:〜を通して)
English:through
意味:〜を通して

👉 属格支配。δι᾽ は次の語 ἐμοῦ が母音で始まる為、 διά の語尾が省略された形です。

ἐμοῦ(エムー)

語根:ἐγώ(エゴー:私)
English:me
意味:私を
文法:人称代名詞・属格・一人称単数

ギリシャ語では定冠詞が名詞の性・数・格と一致します。この箇所では「ἡ(ヘー)」が三度繰り返され、「その道」「その真理」「その命」という強調が見られます。道、真理、命は、全部女性名詞なんですね!(性別の根拠はありませんが、、、。)

冒頭のλέγει αὐτῷ ὁ Ἰησοῦςですが、word by wordでは「says」と現在形になっていますが、NKJVでは「said」、口語訳でも「言った」と過去形になっています。調べた所、これは、過去の出来事をあえて現在形で語る用法のようです。臨場感を出し、読者をその場に立たせる、会話を強調する、などです。

私は長い間、「だれでもわたしによらないでは、父のみもとに行くことはできない」という言葉を「イエス様によらなければ天国に行けない」という意味で覚えていました。確かにそうだとは思いますが、文脈を読むと、十字架に架けられる前夜、イエス様に去ると言われて不安になっている弟子たちへの、慰めでもあったと気が付きました。

なお、古典ギリシャ語辞書は数万円もするので、この辞書(古典ギリシャ語⇔英語)はコスパが良く役に立ちます。3,000円位で買えます。当時、現代ギリシャ語辞典は持っていましたが、古典用には全く役に立ちませんでした。😅

Classical Greek dictionary 

 今日気が付いたのですが、古典ギリシャ語の文法の本もあったんですね。値段は2,500円位です。コメントを見ると初心者の私には難しそうですが、、、。😅 

  Classical Grammar 


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